Vertex AI とは?機能紹介から活用シーンや料金体系までを徹底解説!
技術ブログはじめに
データ活用を効率的に行うためには、高品質なデータ基盤の構築が必要不可欠です。そして、 Google が提供するパブリッククラウド「 Google Cloud 」には、データ基盤の構築に役立つサービスが多数搭載されています。本記事では、 Google Cloud のデータ基盤構築サービスを一挙にご紹介します。計 20 のサービスを取り上げていますので、自社で Google Cloud の導入を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
GeminiやGemmaといった最新基盤モデルの紹介から、RAG(検索拡張生成)、Vertex AI Studioによるカスタマイズ、BigQuery MLでのデータ分析まで、実務に即した活用術を網羅。 開発効率化や社内チャットボット導入を検討中の担当者必見のガイドです。
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Vertex AI とは?何ができるの?
Vertex AI とは、 Google が提供しているマネージドな機械学習のプラットフォームであり、 Google Cloud に内包されているサービスの一つとなっています。
Vertex AI を活用することで、
- 機械学習 API の活用
- 機械学習モデルの保存
- 機械学習モデルのデプロイ
- 予測のリクエスト
など、機械学習における様々な作業を行うことが可能です。
従来の AI 活用では、複数のソリューションを組み合わせて機械学習を実施することが一般的でした。しかし、これではモデルの開発・検証を行う際に遅れが発生してしまい、本運用へ至るまでに膨大な時間を要することになります。また、各種作業をうまく進めることができず、モデルが開発途中で失敗に終わることも珍しくありません。
そして、このような課題を解決するために Google が生み出したソリューションが Vertex AI です。 Vertex AI は Google Cloud に搭載されている数多くのサービスを一元的に集約し、統合されたユーザーインターフェースや API のもとで機械学習モデルを構築できる点が大きな特徴の一つです。
また、 Vertex AI では、クラウドやオンプレミスなど、多種多様な環境のユーザーに対して、機械学習モデルを手間なく構築するためのツールを多数提供しています。これらを活用することで、 UI ベースのモデル開発やコードベースのモデル開発など、様々なアクションを実現することが可能になります。
以下、 Vertex AI に搭載されている代表的なツールを表にまとめます。

このように、 Vertex AI には数多くの機械学習ツールが内包されています。様々な機械学習のタスクを一気通貫で実行でき、専門知識を持たない人でも直感的に操作可能なため、ビジネスシーンで機械学習を活用する場合には、 Vertex AI が心強い武器の一つになると言えるでしょう。
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Vertex AI の機能
Vertex AI には、具体的にどのような機能が搭載されているのでしょうか?本章では、 Vertex AI の代表的な機能についてご説明します。
データセット
Vertex AI では、マネージドなデータセットが提供されています。これにより、イメージのトラッキングやアノテーション用のユーザーインターフェース、統合されたデータラベリング環境などを自由自在に利用できます。なお、 AutoML を使用している場合は、 UI または SDK を介して、プログラミングでトレーニングジョブを開始することも可能です。
トレーニング
Vertex AI のトレーニングは、
- AutoML トレーニング
- カスタムトレーニング
の 2 つに分類することができます。
AutoML トレーニングでは、短時間かつコード記述なしで機械学習モデルをトレーニングすることが可能です。一方、カスタムトレーニングは、カスタムコンテナを介して選択したフレームワークで構築されたモデルをトレーニングできます。
このように、自社の状況に合わせてトレーニングの種類を選択できる点も Vertex AI の魅力の一つだと言えるでしょう。
デプロイ
Vertex AI では、 AutoML またはカスタムモデルコードによってモデルを作成します。この時、モデルの作成方法に関わらず、デプロイされたモデルは Vertex コンソール上の同じ場所に表示され、同一 API によってアクセス可能になります。これにより、複数のモデルを効率的に管理することができ、業務効率化や生産性向上などに直結します。
Vertex AI の特徴
本章では、 Vertex AI の特徴を解説します。どのような特徴があるのか、ぜひ内容を理解しておきましょう。
Gemini を利用可能
Gemini とは、 2023 年 12 月に Google が発表した生成 AI の新たなモデルであり、テキストだけではなく、画像や動画を扱うことも可能なマルチモーダルモデルとして大きな注目を集めています。そして、 Vertex AI はこの Gemini を利用できる点が大きな特徴の一つです。Gemini を活用すれば、高精度な推論・生成機能により、画像をもとにしたテキスト抽出や JSON 変換などを行うことができます。
130 件以上の生成 AI モデル・ツール
Vertex AI には、 Gemini 以外にも様々な生成 AI のモデル・ツールが備わっています。
代表的な例としては、
- Model Garden
- ファーストパーティ製品( PaLM API 、 Imagen 、 Codey など)
- サードパーティ製品( Anthropic Claude 2 など)
- オープンソース製品( Llama 2 など)
などが挙げられます。
また、 Vertex AI には拡張機能も搭載されており、これらを活用することでリアルタイムな情報取得やアクションのトリガー設定などを実行できます。さらに、モデルをチューニングするためのオプションも用意されているため、自社の状況に合わせてモデルを自由自在にカスタマイズすることも可能です。
オープンかつ統合された AI プラットフォーム
オープンかつ統合された AI プラットフォームである「 Vertex AI Platform 」も Vertex AI の大きな特徴の一つです。 Vertex AI Platform を使えば、モデルのトレーニングやデプロイなど、機械学習における様々なプロセスを効率化できます。例えば、 Vertex AI Training や Vertex AI Prediction などの機能を活用することで、トレーニング時間の短縮やモデルのデプロイの簡素化などを実現することが可能になります。
検索と会話( Vertex AI Search and Conversation )
Vertex AI の「 Vertex AI Search and Conversation 」は、デベロッパーが検索アプリケーションやチャットアプリケーションなどを効率的に構築・デプロイするためのツールです。 Vertex AI Search and Conversation には、オーケストレーション(設定・管理・調整の自動化)やプライバシー管理などの機能が搭載されているため、アプリケーションの迅速な構築・デプロイに役立ちます。
予測 AI と生成 AI のための MLOps
MLOps とは、機械学習( ML )と、運用( Operations )を組み合わせた造語であり、高品質な機械学習システムを実現するための手法・概念を意味する言葉です。そして、データサイエンティストや ML エンジニアが機械学習を自動化・標準化・管理するための MLOps ツールが搭載されている点も Vertex AI の大きな特徴です。
例えば、
- Vertex AI Evaluation :ユースケースに最適なモデルの特定
- Vertex AI Pipelines :ワークフローのオーケストレート
- Model Registry :あらゆるモデルを一元管理
- Feature Store :機械学習モデルの特徴をサービング・共有・再利用し、入力のスキューとドリフトをモニタリング
など、 Vertex AI には様々なシーンで利用できる MLOps ツールが多数搭載されています。これらを活用することで、開発ライフサイクル全体を通じてチーム間の共同作業を行い、モデルを継続的に改善することが可能になります。
Vertex AI の活用シーン
ここまで、 Vertex AI について詳しく解説してきましたが、具体的にどのような場面で活用されるのでしょうか?本章では、 Vertex AI の活用シーンを 3 つご紹介します。
生成 AI の構築
Vertex AI には、生成 AI モデルを迅速にプロトタイピングしてテストするためのクラウドプラットフォームである「 Generative AI Studio 」が搭載されています。これにより、ユーザーは手間なく短時間で生成 AI を構築することが可能になります。例えば、プロンプトサンプルを使用したモデルのテストやプロンプトの設計・保存、基盤モデルの調整など、様々なプロセスを実行できます。
データの抽出・要約・分類
Vertex AI では、生成 AI を活用してデータの抽出・要約・分類を行うことが可能です。例えば、 Vertex AI のテキスト用の PaLM API を使用することで、構造と形式の点で柔軟なプロンプトを設計できます。これにより、膨大なデータを短時間で抽出・要約・分類することが可能になり、今後の具体的なアクション検討に役立てられます。
カスタム ML モデルのトレーニング
Vertex AI では、大規模なモデルトレーニングの運用を可能にするマネージドトレーニング サービスを利用でき、 Google Cloud のインフラストラクチャで、任意の機械学習フレームワークに基づいたトレーニングアプリケーションを実行できます。
また、
- PyTorch
- TensorFlow
- scikit-learn
- XGBoost
などの一般的な機械学習フレームワークについて、モデルのトレーニングとサービス提供の準備プロセスを簡素化するサポートが標準で組み込まれている点も Vertex AI の大きなメリットの一つだと言えます。
Vertex AI の料金体系
Vertex AI の料金体系としては、
- ツールやサービス
- ストレージ
- コンピューティング
- Google Cloud のリソース
などの利用状況に基づき、課金が発生する仕組みとなっています。
以下、 Vertex AI の利用料金をまとめます。
生成AI
- 画像生成のための Imagen モデル
※画像入力、文字入力、カスタムトレーニングの料金に基づく:0.0001 米ドル - テキスト、チャット、コードの生成
※ 1,000 文字単位の入力(プロンプト)と 1,000 文字単位の出力(レスポンス)に基づく:0.0001 米ドル / 1,000 文字
AutoML モデル
- 画像データのトレーニング、デプロイ、予測:1.375 米ドル / ノード時間
※リソース使用量を反映したノード時間あたりのトレーニング時間と、分類またはオブジェクト検出のいずれであるかに基づく - 動画データのトレーニングと予測:0.462 米ドル / ノード時間
※ノード時間あたりの料金と、分類、オブジェクトトラッキング、動作認識に基づく - 表形式データのトレーニングと予測:非公開(要問い合わせ)
※ノード時間あたりの料金と分類・回帰、または予測に基づく - テキストデータのアップロード、トレーニング、デプロイ、予測:0.05 米ドル / 時間
※トレーニングと予測の 1 時間あたりの料金、アップロードしたレガシーデータ( PDF のみ)のページ数、テキストレコード数と予測したページ数に基づく
カスタムトレーニング済みモデル
- カスタムモデルのトレーニング:※ 1 時間あたりに使用されるマシンタイプ、リージョン、使用されたアクセラレータに基づく
非公開(要問い合わせ)
Vertex AI Notebooks
- コンピューティングとストレージのリソース:プロダクト参照※ Compute Engine の料金※ Cloud Storage の料金
※ Compute Engine および Cloud Storage と同じレートに基づく
プロダクト参照 ※ Compute Engine の料金※ Cloud Storage の料金 - 管理手数料:詳細を参照
※上記のリソース使用量に加えて、使用するリージョン、インスタンス、ノートブック、マネージドノートブックに応じて管理手数料が適用
Vertex AI Pipelines
- 実行料金と追加料金:0.03 米ドル / パイプライン実行
※実行料金、使用したリソース、追加のサービス手数料に基づく
Vertex AI Vector Search
配信と構築の費用:サンプルを参照
※データのサイズ、実行する秒間クエリ数( QPS )、使用するノード数に基づく
※参照元: Google Cloud 公式サイト「 Vertex AI の料金の仕組み」
このように、 Vertex AI の料金体系は複雑なため、どのような場合にどの程度の料金が発生するのか、事前にシミュレーションを行うことが大切です。なお、 Google 公式サイトには、リージョン固有の料金と手数料を含む Vertex AI の費用を試算できる「料金計算ツール」が掲載されているため、必要に応じて活用すると良いでしょう。
まとめ
本記事では、 Vertex AI の概要や特徴、活用シーン、料金体系など、あらゆる観点から一挙にご紹介しました。企業が Vertex AI を活用することで、生成 AI の構築や機械学習モデルのトレーニングなど、様々なメリットを享受できます。この記事を読み返して、サービスの特徴や料金体系などを理解しておきましょう。
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