2026年1月5日

Vertex AIの使い方とは?Google CloudでAI開発・活用を加速する事例と導入ステップ

技術ブログ

はじめに

Vertex AIは、データの準備から生成AIのカスタマイズまでを一貫管理できるGoogle Cloudの統合プラットフォームです。AutoMLや学習済みAPIに加え、画像生成のImagenやコード生成のCodeyなど最新モデルも活用可能です。多機能ゆえの導入の迷いを解消するため、本記事では具体的な使い方や実例を解説。コストを抑えつつ最大限の導入効果を得るための実践的なヒントを提示します。

目次

Vertex AIとは?AI開発を一元化する「統合プラットフォーム」の基礎知識

開発から運用までを1つに、Vertex AIが解決できる3つの課題

Vertex AIは、Google Cloudに内包されているマネージドな機械学習(ML)プラットフォームです 。 従来、AIモデルの開発・運用には複数のソリューションを組み合わせる必要があり、本運用までに膨大な時間を要したり、開発が途中で失敗したりすることも珍しくありませんでした 。Vertex AIは、Google Cloudの数多くのサービスを一元的に集約し、統合されたユーザーインターフェース(UI)やAPIのもとで、モデルの構築から予測のリクエストまでを一貫して行えるのが大きな特徴です。

なぜ選ばれる?専門知識不要な「ノーコード開発」とGoogleの先進技術

  • 開発の効率化と運用の簡素化: クラウドやオンプレミスを問わず、多様な環境で手間なくモデルを構築できるツールが揃っています。
  • 専門知識のハードル低減: UIベース(ノーコード)での開発から、高度なコードベースの開発まで、ユーザーのスキルに合わせたアクションが可能です。
  • Googleの先進的なAI技術: Googleが培ってきた学習済みモデルや、最新の生成AI技術(ImagenやChirpなど)を直接ビジネスに活用できます。

Vertex AIは、Google Cloudの数多くのサービスを一元的に集約し、統合されたユーザーインターフェース(UI) やAPIのもとで、モデルの構築から予測のリクエストまでを一貫して行えるのが大きな特徴です。

関連記事:Google Cloudの導入メリットや具体的な料金体系については、こちらの記事「Google Cloud(GCP)料金体系を徹底解説!最大70%コスト削減も可能な最適化方法」で詳しく解説しています。」

【スキル別】Vertex AIの具体的な使い方と主要な3つのプロダクト

Vertex AIのプロダクトは、大きく「学習済みAPI」「AutoML」「専門家向けツール」の3つのカテゴリに分けられます。

データ準備と管理

AI活用の第一歩は「タスクの明確化」です。例えば製造業の外観検査なら、どのプロセスをAIに担わせるかを具体的に決めます。

Vertex AIの役割: 学習データが必要な場合、ユーザー側でデータを用意し、AIに学習させる準備を行います。

初心者でも安心の「AutoML」とデータサイエンティスト向け「Workbench」

  • AutoML(バランス重視): ノーコードアプローチで、ユーザーデータを学習させるだけでカスタムモデルを簡単に作成できます 。構造化データを扱う「AutoML Tables」を使えば、需要予測や最適化も容易です。
  • Custom Training(独自性重視):
    Vertex AI Workbenchなどの専門家向けツールを使用します。これはJupyterベースのNotebookで、データサイエンティストが独自のコードでモデルを構築・運用することを支援します。

AutoML Tablesを活用することで、ビジネス上の重要な予測を自動化できます。構造化データを扱うことで、需要予測や在庫の最適化も容易になります。

関連記事:AIを活用したデータ分析基盤の構築については、こちらの記事「Google Cloudデータ分析の真価とは?最先端ツールで実現する生産性向上とビジネス成長」も併せてご覧ください。

モデルのデプロイと予測

Vertex AI Model Registryにモデルを保存し、エンドポイントへデプロイすることで、API経由でのリアルタイム予測や、大量データの一括バッチ予測が数クリックで実現します。

学習済みAPI(スピード・コスト重視): モデルの学習すら不要な「すぐに使えるAPI」も提供されています 。Googleが事前に学習を済ませているため、画像内のオブジェクト検出や自動翻訳などを即座に実行可能です。

モデルのモニタリングと管理

デプロイ後も、統合されたプラットフォーム上で一元的に管理が可能です 。特に「Vertex AI Workbench」では、ワークフローとの連携やユーザー管理の統一ができるため、エンタープライズ環境での運用にも適しています。

【最新】Vertex AIでGeminiを動かす3つのステップ

最新のマルチモーダルモデル「Gemini」も、Vertex AI上であればエンタープライズ品質のセキュリティを保ちつつ、驚くほど簡単に導入できます。

1. Vertex AI Studioでのプロンプト試行

まずは「Vertex AI Studio」を利用しましょう。GUI上でテキスト、画像、動画をアップロードし、プロンプトの効果を即座にテストできます。コードを書かずにパラメーター(Temperatureや出力上限など)を調整できるため、非エンジニアでも最適な設定を検証可能です。

2. Model Gardenからのモデル選定

「Model Garden」では、用途に応じて異なる性能のGeminiを選択できます。

  • Gemini 1.5 Pro / 3.0 Pro: 複雑な推論や大量のドキュメント解析
  • Gemini 1.5 Flash: リアルタイムなチャットや低コスト・低遅延が求められる用途 

これらはワンクリックで有効化でき、すぐにAPIとして利用可能です。

3. Python SDKによる実装

実際のシステム開発では、Google Cloud SDKを利用します。以下のようなわずか数行のコードで、Geminiの強力な推論能力を自社アプリに統合できます。

Python

import vertexai

from vertexai.generative_models import GenerativeModel

vertexai.init(project=”your-project-id”, location=”us-central1″)

model = GenerativeModel(“gemini-1.5-flash”)

response = model.generate_content(“Vertex AIの導入メリットを3点教えて”)

print(response.text)

【業務別】Vertex AIのビジネス活用事例:需要予測から生成AI活用まで

利用シーン1:需要予測・在庫最適化:AutoML Tablesでビジネスの意思決定を自動化

AutoML Tablesを活用することで、ビジネス上の重要な予測を自動化できます。

具体例: 需要予測、欠品予測、価格の最適化など、企業の保有する構造化データを基にした意思決定の支援。

利用シーン2: 画像・音声・生成AI活用:最新モデル(Imagen/Chirp/PaLM)の連携

Googleの学習済みAPIや最新の生成AIモデルを活用するシーンです。

  • 画像認識: Vision APIで画像内のオブジェクトを検出・分類。
  • 音声認識: Speech-to-Textや次世代モデルのChirpによる自動音声変換と顧客コミュニケーションの強化。
  • 生成AI: Imagenによるテキストからの画像生成や、PaLM APIによる高精度なチャットボット構築。

Googleの学習済みAPIや、Imagen、PaLM(および最新のGemini)などの生成AIモデルを直接ビジネスに活用できます。

関連記事:Google Cloudだけでなく、AWSやAzureとの生成AIサービスの比較・選び方については、こちらの記事「【2025最新版】AWS・Azure・Google Cloud 生成AIサービスを徹底比較!」にまとめています。

関連記事:マーケティング領域での具体的なAI活用法については、こちらの記事「【2025年最新版】生成AIをマーケティングに活用する方法・事例」も参考になります。

利用シーン3:レコメンデーションエンジンの構築

ユーザー体験を向上させるパーソナライズの実現です。

具体例: Recommendations AIを活用し、ユーザーの行動履歴に基づいて最適な商品を自動でレコメンドします。

利用シーン4:業務プロセスの自動化・効率化

開発業務そのものの効率化も可能です。

具体例: Codeyを利用し、自然言語での指示から実際のプログラムコードを生成。自社独自のデータに基づいたコード作成も行えます。

失敗しないためのVertex AI導入ステップと「コスト・安全面」の注意点

  • データ品質とセキュリティの確認: Vertex AIはデータ保護されたファインチューニングを採用しており、ユーザーのデータがGoogleの学習に勝手に使われることはありません。
  • コスト管理: 生成AIは高度なタスクをこなせる反面、計算能力を多く消費するため、従来のAI(ルールベース等)と比較してコストが高くなる傾向があります 。目的(スピード重視か、独自性重視か)に合わせて最適なカテゴリを選択することが重要です。
  • タスクの因数分解: 既存のフローをそのままAIに置き換えるだけでなく、AIの導入効果を最大化するために業務プロセス自体を変更・削除することも有効な戦略です。

まとめ:Vertex AIを導入してビジネス成長を加速させよう

Vertex AIは、AI/ML開発の複雑さを解消し、ビジネス価値の創出を加速させる強力なプラットフォームです。当社センティリオンシステム 大阪事業所では、Google Cloudに特化した技術支援を提供しています。「生成AIを活用したい」「クラウド移行の知見が不足している」「内製化のためのスキルアップをしたい」といった課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。