スマホアプリは開発環境さえあれば企業だけでなく、個人でも行うことができます。
大前提となる開発環境はどう構築するのかを考えてみたいと思います。
開発環境を整えるにあたり、まずどんな状況でアプリを使いたいか、を決める必要があります。
具体的には、ネットワークに接続できる状況で、ネットワークに接続したまま使用したいのか。それとも、ネットワークに接続していない状況でも使用したいのか。という点です。
前者はブラウザ上で稼働するアプリケーションで、webアプリケーションと呼ばれます。後者は特定のCPUやOSを対象に作られるアプリケーションで、ネイティヴアプリケーションと呼ばれます。実行速度が速く、ネットワークに接続していない状態でも利用できます。
この違いが、開発環境の違いにつながります。
どちらが良いかは、アプリケーションの作成目的、規模によるかと思います。不特定多数に広く提供したければCPUやOSに制限されないwebアプリケーションが適しています。対象を絞って、実行速度の高いアプリケーションを提供したいようであれば、ネイティヴアプリケーションを。もしくは、見た目重視であれば、webアプリケーションよりもネイティヴアプリケーションの方が、比較的自由に構築できるでしょう。
開発スキルを基準とするならば、ネイティヴアプリケーションの方が必要となるツールが少なく、ある程度言語知識があれば対応できると考えられます。webアプリケーションの方がHTMLやCSSの知識が幅広く求められてくるので、その点も検討材料としてみると良いと思います。
さて、どんな状況でアプリが使われるかを決めたところで、ようやく開発環境について考えてみましょう。
まず、作成したいアプリケーションに適したOSを保有したパソコンを購入し、開発用アプリケーションをインストールし、シミュレーターを用意し、使用言語について勉強して、アプリケーションを構築して、アプリケーションを起動ささせるための資源を用意して、、、
なんてことをやってたら、完成まですごく時間かかりそうですね。スマホアプリのサイクルは今や2~3ヶ月ですから、毎回一から作っていたらトレンドに遅れてしまいそうです。そこで活用したいのがBaaSです。
BaaSとは『Backend As A Service』のことです。
言葉としてSaaSに似ていますが、簡単に言うとSaaSはソフトウェアを必要なときに必要なだけクラウドで使えるサービスであるのに対して、BaaSはバックエンド、ユーザーは意識しない裏方、つまりアプリを使用するのに必要なサーバー側をクラウドで使えるサービスを指します。
BaaSはmBaaSと言われることも多く、モバイル端末のアプリ開発において注目を浴びている考え方です。BaaSは開発時のメリットだけでなく運用面でもメリットがあります。
アプリを動かすために必要なサーバーとの連携部分をBaaSで対応することで、開発者はサーバー側のことをBaasにお任せして、アプリの開発に集中できます。
アプリ開発に人も時間も集中できるとなれば、スピーディーなアプリ開発も対応でき、アプリそのものの品質もあげられそうですね。
サーバー側はBaaSにお任せなわけですから、サーバー関連のメンテ等、運用は不要になり、管理コストが減ります。また、サーバーを複数企業で共有することとなるため、自社でサーバーを使用するよりも無駄なく資源を使用でき、コスト減をはかれる可能性があります。
BaaSはSaaSに比べると比較的まだ新しい取り組みですが、すでにかなり注目されており、スマホアプリ開発を行う各企業がBaaSを展開する企業を買収するなど、活発な動きがあります。
BaaSは、Facebook傘下のParse、Amazon、Windowsのほか、日本ではKii cloud、Appiarie、ニフティが代表的かと思います。外資系企業のサービスでは、日本語で展開されていないケースもあるので、『国産』のBaaSはその点利用しやすいサービスです。
しかし、当然ながら各企業で料金やサービス内容、動作のスムーズさなど、メリットデメリットがありますので、開発したいスマホアプリとの適合性を考えて、しっかり検討してベストなサービスを選んでください。
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