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2017-11-30

「モノ」が売れない時代に「体験」を売るマーケティングの考え方


消費者がモノやサービスを選ぶとき、何を基準にしているかご存知でしょうか?価格、機能性、使いやすさ、ブランドの知名度など、判断する要素はいろいろあります。実は「体験」もひとつの重要な要素です。

そこで本記事では、モノが売れない今の時代に、「体験」を売るというマーケティングの考え方を解説します。他社との差別化のためにも、「体験」を売るという考え方をぜひ理解しておいてください。

モノがあふれている今の時代、モノだけでは売れない

モノがあふれていてなんでも簡単に手に入る今の時代、モノそのものでは他社と差別化するのは難しくなっています。ここでいうモノはサービスも含まれるのですが、モノだけでは売れなくないならどうすればいいのでしょうか?

その答えは「体験を売る」ことです。

モノに「体験」という付加価値を与えることで、他社製品との差別化ができます。なぜモノを売るのに「体験」が重要なのかは次項でひとつずつ解説しますが、マーケティングにおける「体験」を理解すれば戦略も変わってくるでしょう。

「体験」を売るマーケティングの考え方

体験したことは記憶に残りやすい

人は知識として得た情報はすぐ忘れてしまいますが、「体験」したことはいつまでも記憶に残ります。たとえば、中学生や高校生のときに勉強したことの大半は忘れていますが、修学旅行や友達と遊んだ記憶はずっと残っていますよね。

「体験」を売るマーケティングもこの考え方に基づいていて、モノやサービスに「体験」を加えることで記憶に残りやすくなります。記憶に残ったことは人に話すときに伝わりやすいので、口コミ効果も期待できるでしょう。

極端な話、原価が100円の商品でも「体験」という付加価値を与えれば10,000円で売ることも可能です。もちろんそれだけの価値がある「体験」を提供することが前提ですが、顧客がそれだけの価値があるモノと判断すれば高めの価格設定でも売れます。

たとえば高級ホテルでは高級感のある部屋や豪華な食事だけでなく、その空間で過ごすという「体験」も価格に含まれているといえるでしょう。このように、「体験」は価格にも大いに関係しています。

ユーザーエクスペリエンス

マーケティングにおける「体験」を理解する上で、UX(ユーザーエクスペリエンス)は欠かせません。UXは主にWeb制作の現場で使われている言葉ですが、一般的な製品やサービスにもあてはまります。

UXは、その製品やサービスを利用することで得られる体験を指す言葉です。ユーザーに心地よく使ってもらうことがUXの目的となります。

よくユーザビリティと混同されますが、ユーザーエクスペリエンスとは異なる概念です。ユーザビリティは、製品やサービスの使いやすさを表す言葉で、そこに心地よさという体験は含まれません。

ユーザビリティに基づいて使いやすいように設計された製品・サービスに、心地よい体験を与えることがユーザーエクスペリエンスの役割となります。以下に紹介するディズニーランドやスターバックスは、まさにUXを重視したマーケティング施策で成功している事例といえるでしょう。

ディズニーランドの例

お仕事紹介-東京ディズニーリゾート
出典:お仕事紹介 – 東京ディズニーリゾート

ディズニーランドが多くのリピーターを獲得しているのは、アトラクションのおもしろさだけでなく、「体験」も提供していることが理由に挙げられます。ディズニーランドに行かなければ体験できないという価値があるため、何度も足を運びたくなるのです。

ディズニーランド(東京ディズニーリゾート)ではスタッフを「キャスト」と呼ぶなど、「体験」を演出するために細かいところまでこだわっています。キャストがそれぞれの役割を演じることでひとつの舞台を作り上げ、他のテーマパークにはない独自の「体験」を提供しているのです。

スターバックスの例

Our-Mission-and-Values---スターバックス-コーヒー-ジャパン
出典:Our Mission and Values – スターバックス コーヒー ジャパン

カフェチェーン店のスターバックスでは、コーヒーの品質だけでなく接客の質にもこだわっています。コーヒーの味だけでなく、「居心地がよいという体験」を提供しているのがスターバックスの特徴です。

スターバックスではお客さんに質の高い接客で「心地よい体験」を提供するために、あえて接客マニュアルをつくっていません。マニュアルがあるとそれに頼ってしまいますが、マニュアルがないことにより、スタッフひとりひとりがお客さんにどうしたら喜んでもらえるのかを自発的に考えるようになります。

たとえば、コーヒーの価格も品質も同じレベルの2つの異なるカフェチェーン店があったとしたら、何を基準に選びますか?カフェでゆっくりくつろぎたいと考える方は、居心地の良さで選ぶのではないでしょうか。利用のしやすさで選ぶ方もいらっしゃることでしょう。

スターバックとドトールを比較した場合、前者がスターバックス、後者がドトールの戦略であるといえます。どちらが優れているか劣っているかというわけではなく、スターバックスは居心地のよい空間を提供することを重視した戦略で成功しているのです。

つまり、スターバックスはコーヒーだけでなく、「体験」を売っているカフェであるといえるでしょう。

「体験」は他社との差別化につながる

機能や価格で他社と差別化するのが難しいなら、「体験」での差別化を考えてみましょう。自社独自の「体験」を提供すれば、他社にはない大きな強みとなります。

ディズニーランドにしてもスターバックスにしても、「そこでしかできない体験」があるからこそ、それを求めてお客さんがやってくるのです。価値あるユーザーエクスペリエンス(UX)を提供することは、モノがあふれている今の時代で生き残るための戦略といえます。

おわりに

現代のマーケティングでなぜ「体験」が必要なのか、おわかりいただけたでしょうか?競合がひしめくレッドオーシャンの市場こそ、「体験」での差別化が必要となってくるでしょう。モノそのものの価値だけでなく、「体験」にも着目してみることが大事です。

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